2011年12月1日木曜日

11月の読書

11月の読書メーター
読んだ本の数:8冊
読んだページ数:3193ページ

▼読んだ本
重耳(上)重耳(上)
やった。宮城谷昌光という金鉱が自分にとって「読める」ものだと判明した。これでしばらく息がつける。読む本に困ることがなさそうだ。これも縄田一男氏のおかげ。明日中下巻を借りてくる。
読了日:11月28日 著者:宮城谷 昌光
日経時代小説時評―1992-2010日経時代小説時評―1992-2010
時代歴史小説というジャンルを愛する熱い気持ちが文章にほとばしっている。過去に読んで、自分としては「?」と感じた作品でも、なるほどこういう褒め方があるのか、と変に感心した。食わず嫌いで読んだことのなかった作家や、近年登場した才能についてたくさん教えてもらった感じ。
読了日:11月27日 著者:縄田 一男
ばんば憑きばんば憑き
表題作「ばんば憑き」の完成度がおそろしい。ほとんど芥川龍之介だ。そのあとの「野槌の墓」は、これ、連作の長編にならないのかな、と夢想する傑作。近年の宮部の充実度がよくわかる短編集だった。同時代にいい語り部がいて幸せだ。
読了日:11月27日 著者:宮部 みゆき
天地明察天地明察
まいった。こんな大傑作を今まで読み逃していたとは。図書館生活の弊害だな。でも読めてよかった。100ページ読まないうちから、読み終わるのが惜しくなったのは久しぶりの体験。特に関孝和との初めて対面する場面では鳥肌がたった。全日本人必読の書、と言いたい。
読了日:11月21日 著者:冲方 丁
やぶへび (100周年書き下ろし)やぶへび (100周年書き下ろし)
あっという間に読んでしまった。けっこう安牌な素材を使って書いてるかな。ただそこはそれ大沢在昌、最後まで余談を許さないきっちりしたエンタテインメントに仕上げてますな。
読了日:11月19日 著者:大沢 在昌
北帰行北帰行
きっちり構築されたサスペンス。見事。「錨を上げよ」を読んだあとだけに、手練た作者の円熟味の深い作品を読むと心洗われた。
読了日:11月18日 著者:佐々木 譲
錨を上げよ(下) (100周年書き下ろし)錨を上げよ(下) (100周年書き下ろし)
柿本が作者の分身なんだろうか。ま、それはさておき、最後の100Pに来てこの展開かよ、という波乱万丈さ。タイで活劇になるとは思わなんだ。 影山と高川さんの語りがかなり作者の思想?を反映していると思われる。
読了日:11月14日 著者:百田 尚樹
錨を上げよ(上) (100周年書き下ろし)錨を上げよ(上) (100周年書き下ろし)
まだまだ物語は動いていない。下巻に期待。
読了日:11月12日 著者:百田 尚樹

読書メーター

2011年11月21日月曜日

読了・天地明察

天地明察
天地明察
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冲方 丁
角川書店(角川グループパブリッシング)
売り上げランキング: 4445
この本はみなさん読むべきだ。
心地よい物語の全てがここにある、といってもいい。
最初の章を読み終わったあたりで、すでに読み終わるのが惜しくなっていた。こういうことはそうそう体験できない。

「読み終わりたくない」と痛切に思ったのは山田正紀の

宝石泥棒 (ハヤカワ文庫JA)
山田 正紀
早川書房
売り上げランキング: 420768
以来ではないか、と思うほどで、宝石泥棒はおよそ30年前の作品だから、私としては30年に1冊の傑作、ということになるか「天地明察」は。

早く結末にたどり着きたい、と考える小説すら少ない。成り行き上、最後まで付き合うか、ということのほうが圧倒的に多い。読み終わりたくない、と感じさせる作品はもうそれだけで大傑作だ。

2011年11月14日月曜日

読了・「錨を上げよ」

まさか最後の100ページにあんな展開が待っているとは。

錨を上げよ(下) (100周年書き下ろし)
百田 尚樹
講談社
売り上げランキング: 8166
下巻に入ってずいぶん主人公が動きまわる。テレビ業界に入ったあたりで挿入される思索的な会話がこの作品のモチーフか、と思わせて、結局「愛の物語」だったのね。

これだけいろいろあって、「人生の長い航海がこれから始める」がオチとは。

喫煙していないはずの主人公が深刻な場面でいきなりタバコを吸っていたり、右手の怪我が次のページで左手になっていたり、小さなミスが気にかかった。こういうのって編集者の仕事なんじゃないの?

2011年11月13日日曜日

読書中・錨を上げよ(下)

文学史上に残る大傑作かどうかはともかく、下巻に入って疾風怒濤の展開である。

錨を上げよ(下) (100周年書き下ろし)
百田 尚樹
講談社
売り上げランキング: 9841
著者来歴を読む限りでは明らかに主人公に著者の人生が投影されている。
実際、うに密漁の微に入り細に入る描写は(ってあんまり描写はないか)かなり実体験を反映していると思われ。
あと100ページちょっとというところまで読んでしまった。さて、どんな結末が用意されているか。

錨を上げて漕ぎ出す海は、やっぱり文学の大洋なのかな。

2011年11月9日水曜日

Kobo Voxについて調べる

楽天、電子書籍事業のKoboを約236億円で買収へ - ニュース:ITpro
このニュースをみて、思わず「おおっ」と声を上げてしまった。2,3日前にKobo Voxについてちょちょいと調べて興味をもっていただけに、楽天が買収してしまうという展開にのけぞった。

Voxそのものの購入ページはこのリンク。どうやら もう購入できるようだ。おそらく日本には直接届けてくれないと思うけれど。
Kobo Vox eReader

本体のファーストインプレッションはこんな感じらしい。


Kindleと同じく、KoboもiOSやPC、OSX用のReaderAppを配布している。

Smartphones

これがいまいちの使い勝手でとりあえずOSX版は動作がもっさりしている。
 BookShopの表示もかなりしょぼいな。スマートフォン向けのHTMLをそのまま表示しているようだ。

さらに残念なのは、現在のところ少なくても日本からアクセスすると使えない機能があること。それもFreeBook。本棚が空だと寂しいので無料本を表示されてみようとしたら、見事にはねられた。
そんなわけでこりゃハードウェアの購入を検討しても仕方がない、ということでGoogle+に萌える〜とか書き込んでVox調査は終了したのだが。

楽天が買収したということは、Voxも楽天専用端末として発売されるに違いない。こりゃおもしろくなってきた。

出版社がAmazon.comに一方的にやりこめられそうな状況に、eコマース企業が一矢を報いるわけだな。

2011年11月8日火曜日

読書中

錨を上げよ(上) (100周年書き下ろし)
百田 尚樹
講談社
売り上げランキング: 56020
おくらばせならがらこれを読んでいる。帯に「誰も二度と出会えない大傑作」とあって、こう書くには編集者にもけっこう度胸だと思うのだけれど、上巻400ページくらいまで読んで本当に世紀の大傑作なのかどうか首を捻り中。

それなりにおもしろいんですけどね。どうにもならない男の半生の記、ということで、主人公と年齢が近いだけに感情移入もしやすい。これからいよいよ大学受験、というあたりを読んでいるが・・・。編集者がちゃんと仕事をしていないのではないか、と気になる文章がちょこちょことあるのが気になる。

読了

伏 贋作・里見八犬伝
伏 贋作・里見八犬伝
posted with amazlet at 11.11.08
桜庭 一樹
文藝春秋
売り上げランキング: 155170
この作品を読んで、やっと自分にはあまり桜庭一樹がおもしろく感じられない、ということがわかった。客観的に、ではなくあくまでも自分としては、だけれど。

もう新作を追わなくてもいいなあ。

その点、やはり宮部はいい。


あんじゅう―三島屋変調百物語事続
宮部 みゆき
中央公論新社
売り上げランキング: 51629
大変おもしろかった。

宮部がまた電子書籍化されていない作家で、この「あんじゅう」に収録されている「暗獣」が1,000円で(!)発売されているのが主なところ。

藤沢周平、司馬遼太郎、開高健の全集がeBookになるのが、今のところの夢だなあ。

2011年10月31日月曜日

「はじめる! Cucumber」をkindleで読む


はじめる! Cucumber - 達人出版会
以前購入したこの電子書籍をkindleで読んでみる。

使ったアプリは当然のようにこれ。

calibre - E-book management

epub形式でダウンロードして、それをcalibreでmobi形式に変換した。
いやー、やはりちゃんとしたフォーマットはいいですねえ。

ちゃんとフォントの大きさも変更できる。表示している画像では、少し小さめのフォントにしている。(kindle使っていて、フォントの大きさを小さくしたのは初めてだ。ありがたやー)
読みやすく表示できる、だけでなく、本文中のリンクなどがそのまま有効になっているのも素敵だ。

おそらく、現在日本で電子書籍を楽しむなら、一番手軽なのがSonyのReaderなんでしょうが、kindleだとあれこれやってみようという気が湧いてきてそれがまたおもしろかったりする。


2011年10月29日土曜日

茎わかめ



自分もそれなりにネットの中での生活を送ってきたつもりだったが、まだまだ青いな、と痛感するできごとがあった。

先日、楽天で「茎わかめ」が通販できないかどうか調べた。少なくても私の住んでいる地域では取り扱っている小売店やスーパーがなく、たまに職場に販売にくる業者さん(3ヶ月に1回くらい来るかなあ)から買うしかなくて悶絶していた。なんせ茎わかめ、うまいんですよ。

通販で買えばかなり安く買えることがわかってホクホクしたところまではよかったが・・・、その後1週間、あちこちのサイトやblogを読むたびに、やたらと茎わかめの広告と出会うことになって驚愕。

つまり、楽天のアフィリエイトやっているサイトを訪問すると、私の履歴からおすすめ商品が自動的に表示されているんでしょうな。

そんなの当たり前、かもしれないけれど、楽天で通販なんかしたことなかったもので今までこんなことを経験したことがなかった。楽天恐るべし。マー君がいい投手に育つのもむべなるかな。ちがうか。

ちなみに画像で使わせてもらっているのは

編集者の日々の泡
さんのblogです。とってもおもしろいよ。 

2011年10月26日水曜日

tablet

amazon.comから目に毒なメールがきた。

買えるならfireを注文しちゃうところですな、異常な円高だから。
iPad2はかなり気に入って使っている。これおいしそう、というレシピを見つけたらEvernoteに取り込んで、それをリビングで確認しながら料理、という使い方が私の場合一番ありがたい。

でもベッドに寝っ転がってYouTube見たりするのもいいなあ 、と思ったりするのだが、一番使い込んでるのが下の娘、すなわちUbutnu女子高生で、いっそTwitterを眺めている。それやこれやで今やリビングになくてはならないデバイスになっているので、私の部屋に持ち込むのは不可となっている。(^^ゞ

自分専用のtabletがあってもいいなあ、と思う。

計算しやすく1ドル=80円としても、Samsung Galaxy Tab (7-inch, 16GB, Wi-Fi)が312.99ドル・・25,000円くらいじゃないか。ここであわてて計算機.appで76*312.99をやってみたら23787.24、と出た。うひゃー。しかし・・・


ま、そうそうお金は使えません。ちなみにamazon.co.jpだとこのお値段。

Samsung Galaxy Tab Wi-Fi 16GB (P1010)
Samsung
売り上げランキング: 160877

わ、値段が出てないか。52,800円でした。本日付で。うーむ、これなら宅配転送業者に頼んでもかなり安くつくか・・。

ただ、こいつは送ってもらえるようだ。

本日の時点で391ドル、およそ3万円。けっこうお買い得でしょうねえ。amazon.co.jpの並行輸入品が52,800円だから。

kindle fireが国内で発売されない限り、きっとandroid tabletは買わないと思うんだけど・・・(イマイチ自信のない口調になったりする)

2011年10月23日日曜日

読了・筑摩書房 それからの四十年

筑摩書房 それからの四十年 1970-2010 (筑摩選書)
永江 朗
筑摩書房
売り上げランキング: 103294

図書館で借りて速攻で読了。良書である。大変おもしろかった。

あとがきで筆者が「現在の出版界」が「倒産目前だったころの筑摩書房」と同じこと、すなわち「同じコンテンツやオリジナルの劣化コピーとしか思えないような本ばかりが、ざくざくと出る」、「業界あげての食品偽装ならぬ新刊偽装をやっている」と心配しているのが印象的。

津野海太郎氏の


電子本をバカにするなかれ 書物史の第三の革命
津野 海太郎
国書刊行会
売り上げランキング: 317366
この本は先週借りて読んだ。

kindleを買って以来、けっこう出版とか電子書籍全般への興味が急に湧いてきた。

kindle・サンプルをダウンロードしてみる

新米ユーザなんで、いろいろやってみる。

「A Dance with Dragons」のサンプルを、kindle内のstoreからダウンロードしてみた。もしかしたら読めるか、と思ったんだけど、無理だな、やっぱり。固有名詞がもうだめ。ただ、英語の本がどう表示されるかわかっておもしろかった。

ペーパーバック1ページ分には足らないだろうけど、けっこう表示されるんですな、文字が。

また、富田倫生「パソコン創世記」を青空キンドルで変換しようとしたら、なぜか エラーが出てしまうので、テキストを落として自分でPDFにしてみることにした。使ったソフトは晶紀の館で公開されている「青P」の無料版。

用紙設定をB6にしてフォント13Pくらいで次のような表示が私にはちょうどいいようだ。

こう見ると、日本語でかなりフォントを大きくしてもけっこう表示される。

kindleは本当に本を読むことしかできないけれど、大変おもしろい。

2011年10月21日金曜日

kindle・本を買う計画

英語は読めない。どうしても必要がある時だけ、辞書を引きつつなんとか読みたどる。必要な時、はたいていプログラミングがらみ。本当に必要な情報はほとんどが英語なので。

kindleを買ったのだから、一度くらいAmazon Whispernetを経験してみたい。しかし英語の本を買うのにはためらいがある。

今のところ第一候補は

これかなあ。なんとか実用の範囲に入りそうだし。

でもこんなのをみるとクラクラする。






これの 続編ですな。翻訳書は上下でおよそ6,000円・・・。kindle本(ただし原書)なら11.99ドルか。英語をすらすら読める人が羨ましくなる瞬間。

ところでamazon.co.jpによる電子書籍販売、大手、として名前があがっているのが講談社や角川や新潮だけれど、創元や早川はどーなっているんだろう。SF・ミステリ出版社こそ電子書籍でロングテールを狙うべき、と思うんだけどなあ。

2011年10月20日木曜日

kindle・Amazonが国内市場に打って出てきたら

本日、あちこちで報じられていた、Amazon.co.jpの日本電子書籍市場への参入について、個人的に一番わかりやすかったのはGIGAZINEさんの解説。

Amazonが年内に電子書籍を日本で販売するため大手出版社とも交渉中 - GIGAZINE

日本の電子書籍市場の現状がどうなっているかとか、各出版社の意向は、とか、大変おもしろかった。

各出版社は書籍の電子化を急いでいて、新潮社や講談社、学研ホールディングスは全新刊を電子化する方針を固めて作家との交渉などを始めています。また、小 学館や角川グループホールディングスも全新刊の電子化を目指しているとのことで、日本でも電子書籍が本格的な普及期に入っていくのではないかとみられてい ます。
kindleを購入して以来、日本の新刊書がどのくらい電子書籍になって売られているのかちょっとだけ調べた。

とりあえず.bookとxmdfちゅー規格があってそれぞれ専用のビューワがいるらしいことがわかってがっくりきた。

電子書籍販売サイト honto | 文芸、コミック、雑誌も電子書籍で!というサイトがなかなか使いやすそう、とおもったけれど、

OSXでは読めないらしい。

ここにAmazonが攻めこんできたらどんなことになるのか楽しみだ。
ただ、一番心配なのが「今もっているkindle4が、amazon.comのアカウント用に設定されている」こと。もしamazon.co.jpがkindle本を売り始めたら、このアカウントで使えるのだろうか、すなわちamazon.comのkindle4がamazon.co.jpで使えるのか、ということ。

使えないとしたら・・・国内版kindleを買うしかない。ヒャッヒャッヒャ、それもまた楽しみか。その時はkindle touchにしようっと。

kindle fireはどんなふうに展開されるんだろう。うーん、年末に向けて楽しみが増えたな。

2011年10月19日水曜日

iPhone4S

予約していたiPhone4Sがもう早、届いてしまった。3週間くらいはかかると思っていたので油断していた。

忙しいことだ。kindleであれこれやっているのであまりいじる時間がないぞ。うれしい悲鳴だ。

一緒に買ってきた安いカバーについてきた液晶保護フィルムがしょぼくて、全然うまく貼れない。がっくり。気泡が入りまくるの使い物にならず、頭にきてiPhone3Gのフィルムをひっぺがして貼り付けることにした。若干サイズが合わないけれど、まだましな状態になったのでとりあえず明日はこれで過ごす。とてもではないが人に見せられないぞ。(^^ゞ

ちゃんとしたカバーを買ってこよう。でも田舎なのでまだ品揃えが悪いようだ。

kindle・自炊本のPDFをトリミングする

せっかく自炊した「用心棒日月抄」、読めない字の大きさでした、では口惜しいので、少し調べてみた。できればPDFのまま、ページのトリミングというか余白削除ができる.appがないものか。

結論から言うとJava製の便利なのがあった。

PDF Scissors


なんせ便利なのは、PDFファイルを開くと自動的に「全ページの重ね合わせ処理」をしてくれてること。これのおかげで、「一部のページの文字領域を削除してしまう」という事態をさけることができる。全ページ共通の余白だけ削除できるという優れもの。

これで処理した「用心棒日月抄」、こんなふうに表示される。





これでほぼ、文庫本と同じくらいの字の大きさになるので、なんとか読むことができそうだ。わーい。

というわけで、自炊生活のめどがついた。ウィークデイに本を裁断して、週末、借りてきたScanSnapでスキャンしていけば、古い本をどんどんkindleにいれていけそうだ。

ただ、kindle4の容量は実質1.2G程度なので、あまりたくさんは詰め込めないのが残念。

2011年10月17日月曜日

kindleいじる

英語の勉強をしているわけでもなく、英語の本を読むわけでもないなのでkindleを購入したのは、まあ物好きとしか言いようがない。

PDFを読むのならiPad2が十分実用的で読みやすいReaderになると思うのだけれど、いかんせんベッドに持ち込んで寝っ転がって読むのに適しているとは言いがたい。バッテリーのもちもよくないし。(目の疲れはどうということはない。長時間iMacの画面をみているので慣れている)

日本語の書籍を読むのならそれなりに苦労がありそうだ、と承知の上でkindleを買った。最後の一押しは、職場にScanSnapがあって、それが一世代前の上位機種である、と知ったことだろうか。うかつにもちゃんと調べたことがなかった、という。

職場は学校なので、裁断機については全く心配がない。ものすごい業務用の裁断機がどこの学校にも必ずある。現在勤務している学校にも当然あって、菊判のハードカバーだって余裕で裁断できるゴツイのがちゃんと2台ある。その他に据え置き型のペーパーカッターが何台かあるし、家で作業できないことを除けば電子書籍自炊の環境には恵まれていることに気づいた。裁断は職場でやって、土日にScanSnapを借りてくればいい。

そんなわけでkindleが届く前の金曜夜、さっそく藤沢周平「用心棒日月抄」を自炊してみた。30年近く前に購入して、何回も何回も読んでぼろぼろに黄変している文庫なので、裁断しても胸が痛まなかった。逆にこれでこの本をデジタル化して保存できる、と胸が躍った。

しかし・・・kindleが届いて出来上がっていたPDF版「用心棒〜」を表示させたら・・


残念ながら、この状態ではとてもではないが読めない。字が小さすぎる。

ちなみに青空キンドルでPDFにしてもらった島崎藤村「夜明け前」だとこういう表示。





これでも字が詰まっていてけっこう読みづらいけど、fontの大きさは快適。

自炊にありがちなトラブルらしく、Windows上であればjpegの余白をトリミングするToolなんかもけっこう簡単に手に入るみたい。OSXはまだ使い始めて1年程度なので、この手の作業をしようと思ったらあれこれ調べないと手持ちの情報が少ない。

ただ、元々の字体の小ささはどうにもしようがないため、いくらトリミングしてもあまり効果はないかもしれない。ちなみにiPad2なら快適に読めた。kindleの画面の小ささは取り柄でもあるので致し方ないな。

てなわけで本日はkindleのファームウェアを4.0.1にupdateして終了。このあとは夜明け前を読む、と。



2011年10月16日日曜日

kindle到着

本日、kindleが届いた。

さっそく使い始めている。青空キンドルは最強。


すでにKindleは第3世代で日本語に対応しており、今後、Kindle Storeでの日本語書籍の販売、そしてKindle日本語版の登場はもはや時間の問題。そうなる前にソニーは市場を掌握しておかなければ、苦しい戦いを強いられることになりますが、日本の電子書籍の来るべき未来の姿を考えた場合、本当に「読者」の求めているものを提示した方が、最終的に生き残るはずです。 

 
とGigazineさんは言っているけれど、どうでしょう。確かに日本語の書籍が買えるならこれほどうれしいことはない。

さくっと使ってみた感じでは、表示画面が意外と狭い、と思った。日本の文庫本程度の表示領域のはずなんだけど・・・字が小さいとすごく読みづらいかも。自炊するならPDFの作り方が結構難しいか・・・OSXなら。Winだとtoolがたくさんあるみたいなんだど・・。


2011年10月11日火曜日

kindle 今回は本気

たった今、kindleを発注した。
インターナショナル版、109ドル、本日のレートで送料込み9700円なり。 いや実はkindle fireを個人輸入しようかと思っていたのだが、8Gのtabletをクラウドなしで使うことに若干の不安があり、もし日本国内で展開されるようならその時買えばいいか、と考えた。(国内で展開される様子がないなら、せめて発売されて使ってみた人たちのレポートが上がってからでもいいだろう、と。どーせ年内に入手するのは難しそうだし) 今回はキャンセルしない。(^^ゞ昨年末に一度酔った勢いで注文して、2週間かかることにがっくりしてキャンセルしたのだが、今回は本気。3〜7日で到着予定ということなので楽しみである。 当面、青空文庫関連で活躍してもらう。これで寝っ転がって青空文庫が読めるようになるのだからとてもうれしい。

2011年9月1日木曜日

読んだ本を記録

Bloggerの編集関係のUIがいきなり変わっていて驚いた。 すっきりしていていいけどね。 日記も書かず読んでいた本を記録。
天冥の標 2 救世群 (ハヤカワ文庫JA)
小川 一水
早川書房
売り上げランキング: 94155
天冥の標 3 アウレーリア一統 (ハヤカワ文庫 JA)
小川 一水
早川書房
売り上げランキング: 91807
天冥の標Ⅳ: 機械じかけの子息たち (ハヤカワ文庫JA)
小川 一水
早川書房
売り上げランキング: 63749
立て続けに読んだ。「メニーメニーシープ」の後に続く話も早く読みたいもんだ。
川は静かに流れ (ハヤカワ・ミステリ文庫)
ジョン・ハート
早川書房
売り上げランキング: 142679
ラスト・チャイルド(上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)
ジョン・ハート
早川書房
売り上げランキング: 79100
ラスト・チャイルド(下) (ハヤカワ・ミステリ文庫)
ジョン・ハート
早川書房
売り上げランキング: 88867
クロノリス-時の碑- (創元SF文庫)
ロバート・チャールズ・ウィルスン
東京創元社
売り上げランキング: 60209
で、現在読んでいるのは
完全版 池澤夏樹の世界文学リミックス
池澤 夏樹
河出書房新社
売り上げランキング: 173664
池澤夏樹の書評芸ってのがたいしたもので、紹介している本全て読みたくなるから困ったものだ。とりあえず読みやすそうなこの本からいくか。
ロード・ジム (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 第3集)
ジョゼフ・コンラッド
河出書房新社
売り上げランキング: 132303
まさか自分がコンラッドを読む気になるとは思わなんだ。 当然のようにプログラミングはお休み。復活するかどうかは微妙な感じ。

2011年8月16日火曜日

Excel VBA bullzipでPDF変換ではまる

結局ExcelのシートをPDFに変換するのに、JustのPDFプリンタだとVBAから設定をいじれないらしいことがわかって、BullzipというPDFプリンタドライバを使うことにした。

Excel VBA PDFといったキーワードでググればすぐに行き着くこのblog

EXCEL VBAからシートのPDF変換を行う - BullZip PDF Printer - Developer☆STYLE

でサンプルコードが手に入り、さらにBullzipの配布元のサンプルコードも読むことができる。

COM Automation from VB Script

ただ、児童の氏名からファイル名を作って、どんどんActiveSheet.PrintOutとやると動作がおかしくなる。具体的には
Set objPrinterSettings = CreateObject("Bullzip.PDFPrinterSettings")
For i=1 to 40
  WorkSheets("学級入力シート").Range("AD12")=i
  if WorkSheet("学級入力シート").Range("B16")<>"" Then '児童名のセルが空白でないなら
    savePath=ActiveWorkbook.Path & "¥" & WorkSheet("学級入力シート").Range("B16") & "_様式1.pdf"
    With objPrinterSettings
        .SetValue "output", savePath
        .SetValue "showsettings", "never"
        .SetValue  "ShowPDF", "no"
        .SetValue "ShowProgress", "no"
        .SetValue "ShowProgressFinished", "no"
        .WriteSettings True
    End With
    WorkSheets("学級入力シート").PrintOut from:=1,to:=1 
  End if
Next i
ま、こんな感じでファイル名を指定して、PDF変換中や変換後にあれこれ問い合わせをしない状態で、40人分いっぺんにPDFに変換できる、はずなのだが、なぜかうまくいかないで悩んだ。

症状としては、「アンパンマン.pdf」なのに、中身はカレーパンマン、というふうにファイル名と変換されるシートが一致しない。ところが、ブレークポイント作ってステップ実行すると思った通りの動作をする、という。これには頭を抱えた。

結論からいうと、Next iの前に

Application.Wait("0:00:02")

と2秒ほどのWaitを入れるといいことがわかった。
objPrinterSettings.WriteSettings TrueでPDFプリンタドライバの.iniファイルに設定を書き込んでいるので、少しだけ待ってやらないとPDF変換のほうがiniファイル書き込みを追い越してしまうらしい。

いやー、わかったときはガッツポーズでありました。

やはり、VBAといえどもプログラミングはおもしろい。そろそろCocoaも再開しようかな。まだ面白い本が何冊か残ってるんだよなー。

夏、終わる?

日曜日あたりからずいぶんと涼しくなった。今日は1日じゅう雨、窓を開けていたら肌寒い。北国である。これで夏も終わりか、とみんな言う。二学期が始まった途端ムチャ暑くなったりもするけど。

暑いうちはiMacの前に座る気がしなかった。なかなか発熱がすごい機械であることを知った。

で、読書ばかりしていて、やっぱり本を読むのは楽しいと再確認。ここ1年ばかり下手なプログラミングに熱中していて、全然本を読んでいなかった分、未読のおもしろい作品がたっぷりあってそれを現在楽しんでいる。

天冥の標 2 救世群 (ハヤカワ文庫JA)
小川 一水
早川書房
売り上げランキング: 44284

ねじまき少女 上 (ハヤカワ文庫SF)
パオロ・バチガルピ
早川書房
売り上げランキング: 2116

ねじまき少女 下 (ハヤカワ文庫SF)
パオロ・バチガルピ
早川書房
売り上げランキング: 3168

週末にかけて以上3冊読了。小川一水はいいですなあ。

で、「ねじまき少女」。ヒューゴー、ネビュラ、ローカスのトリプルクラウンである。SFとしてもエンタテインメントとしても一級品の作品でないとこの3つを受賞できないわけだけど・・・アメリカ人ってオリエンタリズムに弱いのかな。

日本人が読めば登場する日本人に首をかしげるだろうし、タイの人が読んだら怒り出しそうな気がする。
細かいことをつつかなければ、十分におもしろい作品で、優れて現代的、なのだと思う。結局主人公はイエローカードのおじいちゃんだった、というあたりが皮肉でいい。

ねじまき少女に関わって最後の最後でぱっと開ける新たな未来の予感もなかなか。こういう終わり方をするSFは確かにいいな。